アメリカでは、お墓は日本のように家族単位ではなく、個人単位で埋葬されていることが一般的のようです。
日本のように一か所にお墓参りをするのではなく、祖父のお墓は○○州で、祖母のお墓は○○州といった具合に、それぞれのお墓がかなり離れた場所にあり、先祖供養も大変のようです。
しかしアメリカ人は3代、4代前は外国生まれの先祖を持つため墓を長い間守り続けようというような、お墓に対して先祖代々的な考え方は持っていないのかもしれません。
お墓に供えられているのは、生花ではなく、プラスチックの花が一般的であることからも、日本のような思い入れはないのかもしれません。
とはいえ、先祖の墓探しのサイトがたくさんあり、自分の先祖を気にしている人がいるのも事実ではあります。
個人単にのお墓が一般的ではありますが、中には、由緒ある家系などは、家族の好みで大きなスペースを購入して、一家でそこを使用するようなこともあります。
また、戦争で亡くなられた兵士のためのまとまった墓地もあります。
また、お墓は生前に自分で購入することが多いようです。
お墓を立てるスペースは、都心部ほど高く、郊外にいくほど安くなります。
購入しておくのはスペースだけで、墓石は亡くなった後に、家族が建てることが普通です。
墓石には、○○家ではなく、個人名、○○年~○○年と生存した年月日が書かれています。
墓石のデザインも様々あります。
宗教によってもデザインが異なりますが、一番簡単な大理石のものだと6万円くらいからあるようです。
家族用のお墓の立体的なデザインやモニュメントのタイプになると、随分と高価なものになります。
生前有名だった人は、肖像を建てることもありますが、一人だけのお墓なのでかなり割高ではあります。
お墓はそれぞれの墓地が管理し、最初に墓地のスペースを購入した代金で賄われています。
アメリカは国土も広大ですすので、家族があちこち散らばることが多く、お墓参りやお墓の手入れなどをするのは現実的に難しいことです。
日本ではお盆にお墓参りをする習慣がありますが、アメリカではお墓参りをする習慣はそこまで根強くないようです。
年に1回、5月に戦没者追悼記念日のメモリアルデーがあり、国民の祝日になっていて、学校や独任制の機関などはお休みです。
戦没者のお墓にはお花が供えられますが、亡くなった全ての人を追悼する日にもなっており、家族のお墓参りに行く人もいます。
とはいえ、お墓参りはしない人の方が多いようです。
お墓は、芝生が生え広い公園のような場所ですので、亡くなった人のお墓がどこにあるのか探すのが大変です。
キリスト教では、仏教のように○回忌というようなものもありません。
お墓参りのしきたりというよりも、アメリカの墓地は明るい公園のようなスペースなので、故人の誕生日などの記念日に訪れて、お弁当を持ってピクニックをしたり、散歩をしたり思い思いに過ごすのが普通のようです。
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アメリカのお墓事情
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