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Channel: 世界のお墓いろいろ
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イスラム教での死の概念

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イスラム教は、アラビアのメッカという場所ではじめて、ムハンマド(マホメット)により創唱されました。
アッラーを唯一神とする一神教で、コーランを聖典とします。
コーランは114章から構成され、生まれた時からその最後に至るまでの人類史、
儀礼的模範、徳目・礼儀・作法、婚姻・相続・売買・刑罰法的規範などといった所にまで渡り、
神アッラーの言葉として、イスラム教徒の生活や行動を規制する内容です。
イスラム教徒のことをムスリムと言いますが、ムスリムは、六信五行という義務があります。
ムスリムは、神、天使、経典(コーラン)、預言者、来世、天命のこれら全てを信じなければなりません。
五行とは、信仰告白、礼拝、断食、喜捨、巡礼のこの全てを行う事が大事とされています。
では、イスラム教では死についてどう考えられているのでしょうか?
イスラム教では、アッラーが人間に生命を与えるものだとされています。
そして、アッラーはそれぞれの生命を維持し必要な糧である、空気、水、土、太陽、雲なども与えられ、準備されました。
人はこのように生命を与えられ生きていると信じられていますので、イスラム教では自殺を大きな罪として禁止されているのです。
生命はアッラーから与えられたものであり、生命を奪われる、寿命もアッラーにより定められているので、自ら生命を断つことは認められていません。
イスラム教では、死は今ある世界の生活の生涯の終着点であり、死は人生の終着点ではなく、
愛する者との一時の別れであり、審判の日に再びよみがえり、神が許すのであれば、再び来世で家族と再会することができると信じられています。
イスラム教では、来世の存在が信じられています。
愛する者の死は、とても悲しいことではありますが、ひどく嘆き嘆き悲しんだり、大声で泣いたり、
取りみだしたりして過剰に悲しみをアッラーに表してはいけないと言われているのです。
コーランの16章「各人の死ぬ時間はあらかじめ正確に定められている」と説かれるように、子どもは生まれるときから死までが定められているとされています。
過度に悲しみを表すことは、アッラーの意志に反するものだとされています。
ムスリムは、人の知らせを聞くと、日本語で「本当に私たちはアッラーのもの。
かれの御許しに私たちは帰ります」という意味のクルアーンの言葉を唱えるのです。
イスラム教では、人は死ぬと最後の審判の日によみがえると信じられていますが、それまでの期間はどういう経過を辿ると言われているのでしょうか?
誰かが亡くなり埋葬されると、天使が舞い降り質問を受ける。
生きていた時にどれだけ信仰をしたのか、慈悲深く生きたのかを問われ、善良に生きた者は墓を広げられ快適に暮らすことができる。
この逆で信仰もしない、さらには人としての道を外した行いをしてきた者は、墓を狭められ責めその中で苦を味わうと言われています。
そして死んでから天使にいくつかの質問をされた後は、復活をするその日まで眠り待つといわれています。
しかし、預言者、殉職者、聖者については、墓に入っても尋問を受けず、直接楽園へ行くことができ、そこで生きるでしょう。


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