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Channel: 世界のお墓いろいろ
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イスラム教の墓地

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イスラム教では、キリスト教と同じく、人は死んだら土葬されます。 現世は天使の吹くラッパがつげる終末をもって終わり、復活の時を待ちます。 死というものは、人生の終着点ではなく、アラーによる審判を待つ状態に入ることを意味するのです。 天国へ行くか、地獄に行くかはアッラーによる最後の審判で決められます。 死者は墓から出てきて、一人一人神の前で、最後の審判を受けます。 各人の現生における生き方や、信仰への忠誠心や貢献度が記載された帳簿により、天国に行くか、地獄に行きか決められるのです。 そして、来世は、そこでの生活が永久に続くとされています。 天国は生きてる世界の敬虔なる生活をおくった人たちの最後の住処となる場所で、 溢れる泉としたたる緑の楽園で平安な暮らしを送ることができ、神を見ることもできると言われています。 一方地獄は不信仰者の行く場所で、底なしの穴にうずまく炎の中で永劫の責め苦を受けるるのです。 死者は、アラーの審判の日に再び蘇るとされているのもあり、イスラム教徒のお墓は、仮の場所なので、大変質素です。 遺体は全てメッカの方向を向け安置され、軽く土を盛り、その上にレンガや棒を置くだけの簡単なお墓になります。 お墓参りというものも特になく、何年か経てば、ブルドーザーで整地されるということもあるようです。 イスラム教は一神教であるということも、お墓が質素なことと関係していると言われています。 イスラム教では、アッラーと言う神がいますが、アッラーとは神様の名前ではなく、アラビア語で「神」という意味、一般名詞です。 もし、アッラーの像や絵画があちこちの地域で作られることを許可されたのであれば、色んな地域によってアッラーの像が様々出てきて、 唯一神アッラーという位置づけすら揺らいでしまう危険性があったからです。 アッラーは人間の想像力を超越した存在で、像にも絵画にもできない存在という位置づけであるため、形にすること自体が間違っているというような考え方になります。 偶像崇拝は神様でないものを崇めることは禁止されているのです。 イスラム教では、唯一神のアッラーを拝むことが正しいので、それ以外のものを拝むことはイスラム教徒として許されないのです。 日本人のようにお墓にお参りするようなことをしてはいけません。 イスラム教徒は、熱心にラマダンなど、修行をする心神深い宗教というイメージが強いので、 お墓参りもさぞかし熱心なのだろうと思われるかもしれませんが、お墓を詣でることは禁止されているのです。 故人を偲んでいないという問題ではなく、もともと以上のような宗教の違いからきているのです。 また、遊牧民のお墓は、もっと簡単で、墓石も用意されません。 たとえ、レンガや棒などを置いたとしても砂漠や涸れ川(ワジ)が氾濫を起こすような地域なので、自然現象によって埋もれてしまうからです。 中央アジアなどの周りに敵が多いような地域では、なおさら墓の標識などは置かないようにされています。

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