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Channel: 世界のお墓いろいろ
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ハワイのお葬式事情

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ハワイでは、昔は、骨は魂が存在したことを示す最後のものだと考えられ、特に王族や族長などは、霊が盗まれないように骨を隠すことが大変重要視され、 骨を処理する人は、生前に骨の安置する場所を秘密にするように約束し、埋葬も夜間に行われていたといいます。 人が自宅で亡くなった時にも、儀式が行われるまで、誰かが遺体を見守っていました。 遺体は、王であれば足の骨を洞穴に保存されたり、一般人だと家の近くの地面などに埋められたり、故人の地位によって埋葬場所が違っていました。 このように、遺体の埋葬はハワイの人たちにとって、昔は重要なイベントでありましたが、現在のハワイでは、火葬が半数を超えており、 アメリカの中でも火葬率が高い州となっており、昔の習慣は残っていません。 ハワイでは、アメリカの中でも特別なお葬式が執り行われています。 ハワイでは、お葬式は、生きてきたことを記念する意味を持つセレモニーです。 悲しみを表すだけのものではなくて、故人の新たな旅立ちをお祝いしたり、故人を想い共に泣いたり笑ったりする儀式です。 お葬式では、唄やフラダンス、スライド、ビデオショーなどが行われます。 式は、どんちゃん騒ぎではなく、静かに進行されますが、色々な趣向を凝らして死者を讃え、生涯を記念する行事になります。 参列する人々は、日本のように黒いフォーマルを着る人はほとんどいません。 葬式で黒い服を着るという習慣はありません。 強いて言えば、男性はアロハシャツ、女性はムームー(ハワイでの女性の伝統的な正装、ワンピース)が多いようです。 色は、黄色でも赤色でも何でもOKで、カラフルな服装を着て参列します。 ジュエリーも、日本のように、付けるなら真珠だけというような制限はなく、ハワイアンジュエリーをじゃらじゃら付けたままでも問題ありません。 また、近年では、故人の家族はおそろいの服装で出席するのが流行っており、 中でもマヌヘアリイという日本でもフラダンサーに人気のリゾートウェアブランドが人気だそうです。 棺の中の遺体も、マイレレイなどの色とりどりの花でたくさん飾り、棺にもたくさんの花たちが掛けられます。 ハワイでは、陸から3マイル以上離れた場所、かつ特別な禁止域以外では散骨(海洋自然葬)が州法で認められています。 数多くのカヌーで海にこぎだして散骨したり、船上から散骨したり、セスナにて上空より散骨することができます。 自然から生まれて自然に還るという散骨は、ハワイの先住民族も遺骨を海や土に還すという風習もあったことから、ハワイではごく自然に行われてきた葬法でした。 遺灰を撒いて、良い香りのする色とりどりのレイを海へ捧げ、 また会いましょう!という意味の「A HUI HOU(ア フイ ホウ)」と明るく陽気に言い、故人はたくさんの人に見送られます。 ハワイには、さよならという言葉がないそうです。

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