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Channel: 世界のお墓いろいろ
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イギリスのお葬式

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イギリスでは、人が亡くなると、ごく親しい人たちだけの少人数でお葬式を執り行うことが普通です。 死を、あくまでもプライベートなことだととらえ、各人が愛する人を失った悲しみを 心の中でかみしめるものだと考えられてきたからです。 親しい人が亡くなったと連絡を受けても、 日本でのお通夜のようにその日の間にすぐに遺族のもとに駆けつけるということは少なく、 各人は花束を捧げることで、哀悼の気持ちを表わしています。 日本の葬儀は、お通夜とお葬式と数日に渡って行われますが、 イギリスでは、亡くなってから大体1週間くらい経ってから、 チャペルや、個人が信仰していた宗教の寺院などで執り行われます。 お葬式のお日にちについては、親族の都合で決められますので、数日後ということもあります。 日本と違って、イギリスでは土葬が一般的でした。 埋葬をする際には故人の周りに参列者が集まり、牧師さんが聖書を読みあげます。 そして説教を唱え、参列者たちは故人の冥福を祈ります。 そして、参列者たちは、棺の上にお花を添え、故人とのお別れの言葉を述べ、棺が土の中に埋められます。 その後、チャペルへ移動し、そこで、お葬式が執り行われます。 まず、参列者はお祈りを捧げて讃美歌を合唱しそして、 牧師さんが聖書の中の言葉を用いて故人の徳を讃えます。 その後は、遺族や友人たちにより、故人の生前のエピソードなどを、 時にはユーモアを交えながらのスピーチを行います。 ドッと笑いが湧くようなシーンがあったりと、涙ではなく笑いを共有することは日本と違う所です。 最後に、再び讃美歌、お祈りを行います。 お葬式の後は、チャペルのホールなどでサンドイッチやお茶などが振る舞われ、 参列者たちは、笑顔で団欒をします。 イギリスでは葬式で泣かないのは、人は死ぬと神に召されて天国へ行き、 また次の人生が始まると信じられているからです。 死生観の違いから、人の死は悲しむものではないと考えられています。 プロテスタントではカトリックとは違い、火葬が禁忌とされることはなかったため、 プロテスタントが多いイギリスでは、効率が良いことから、近年では約7割程度は火葬になってきています。 火葬といっても、日本であれば骨として形を残す事が一般的ですが、 そうではなくて骨が粉末状となるまで完全に燃焼させるものです。 イギリスでは、人は亡くなれば自然の一部として見守るべきだと考えられており、 遺族は、遺灰を故人のお墓の周りや公園墓地や思い出の地などにまきます。 そして遺灰をまいた地にバラなどの花や木々を植える習慣があるため、墓地には美しい花々が咲いています。 土葬の場合でも、埋葬した棺の上に木を植え、これは「green burinal(緑の埋葬)」と言われていますが 成長する木とともに故人をいつまでも思い出すという習慣もあります。 イギリスには美しいガーデンや、遊歩道などがたくさんあります。 イギリス人は、都会に住んでいる若い人たちも、引退したら田園に住み、 自然の中を散歩したり、読書をしたり、庭のお手入れをしたりと願っていると言われています。 そんな自然をこよなく愛する国民性が反映されたような習慣だと言えるでしょう。

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