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Channel: 世界のお墓いろいろ
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ドイツのお葬式

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ドイツ人のほとんどはキリスト教徒で、カトリックが半数、プロテスタントが半数の割合です。 かつては、教会が埋葬に対してもその権利を持ち、一般的には教会が埋葬を行っており、 カトリックではキリストは土葬されたという言い伝えがあるため、 全ての信者は土葬に従わなければならず、異教徒の火葬は強く禁止されていました。 18世紀以降は、葬儀に対する権限は、教会から取り上げられ政府の権限となりましたが、 それでも、カトリックは今日でも、なお火葬を支持しておらず、火葬率は全体の40%以下にとどまっています。 田舎の方では、カトリックの伝統的な土葬が多い現状ですが、 18世紀以降はすでに公衆衛生上の理由などから火葬が多く行われるようになりました。 19世紀になると、長い年月をかけて体が朽ち果てていく土葬より、 燃え上がる炎の中で短時間で体が燃える火葬を高く評価する考え方が知識層を中心に広まっています。 なので現在ではほとんどの墓地に火葬場が隣り合わせで設置されています。 火葬は、教会の影響力が弱まるにつれて徐々に普及してきました。 人が亡くなると、ドイツではお葬式の日にちが決まったら地元新聞に亡くなったという事を告知して出します。 親戚には電話で連絡したり、遠い親戚や友人には黒い縁の付いた封筒の手紙を出したりします。 新聞広告や手紙で亡くなったことは知ったけれど、 遠方にてお葬式に出られない場合には、遺族に花輪やカードをすぐに贈りお悔やみを伝えます。 お葬式は、教会で執り行われます。 お葬式では、牧師が故人の人生を語りますが、 パートナーや子ども、親戚などがスピーチをすることもあります。 合間に讃美歌を歌い、祈りを唱えます。 墓地へ遺体を運ぶときには、しめやかな葬列で墓地まで移動します。 黒いシルクハットや衣装を着た遺族と参列者は、 馬車の霊柩車や棺持ちにより運ばれる棺の後をついて歩いて移動します。 都会ではチャペルからお墓の距離も短く、三列になって歩いていきます。 葬列が続く間、教会の鐘が鳴り響き、故人への敬意と会葬者への弔意を示します。 先頭にブラスバンドが葬送曲を演奏することもあります。 ただし、最近は、葬列が条例で廃止となっている都市部もあります。 墓地に着くと、埋葬式が行われ、 この葬儀を取り仕切る者が棺の上に土を3回かけて、その後で遺族が土をかけます。 この時に、赤いバラの花など一緒に添えて埋めます。 埋め終わったら、土を小さな山のように盛り上げ、 遺族は後日、土を盛った部分や近くに花やツタなどを植えます。 埋葬が終了したら、家や近くのレストランなどに移動し、 ケーキやサンドイッチが振る舞われ、参列者は昔話で盛り上がります。 久しぶりに会った親戚たちは、故人のこととは関係のないような話しもしたりして盛り上がります。 お墓については、四角い石のような硬いものが地面に埋め込まれていることもあります。 そして、天使が彫りこまれて置かれていることもあったりと、好みと時代により様々です。 地域によっては、故人の写真を付けることもあるようです。 墓石に彫られた文字も、苗字だけ書かれていたり、職業や没年月日書かれているものなど様々のようです。

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