フランスでは90%がカトリック教徒のため、お葬式もカトリックの教えに従った形式がほとんどです。 人が亡くなると、日本でのお通夜にあたる弔問できる時というのが1~数日間あります。 その後で、お葬式にあたる教会でのミサが執り行われます。 お葬式の会場では、黒いカーテンが張り巡らされ、棺とともに燭台が置かれます。 お葬式の流れは様々ではあります。 ですがだいたい最初に拝む事をしていき、撒水、撒香、神父の追悼説教、聖書朗読。 そして、参列してくださっている方による故人の経歴紹介、 聖歌や賛美歌が前後に挟み、最後に出棺という流れになっています。 参列者の一人一人が献花を行うようなお葬式もあります。 服装については、普通の一般家庭や田舎でのお葬式では、 親族になる場合は黒い喪服を着るのがマナーになっています。 ですが、その他の場合は特に服装を気にする様子はないようです。 その直後、遺体は墓地に運ばれ埋葬されます。 遺体を寝かせる棺は舟形をしており、これに布を掛けます。 お亡くなりになられた方が成人してれば黒の布を、 成人していなければ白の布をかけ、その上に故人のイニシャルが入れられた盾を乗せます。 お墓は、墓碑の下が地下室のようになっており、 土のすぐ下に棺が埋葬されている訳ではなく、棺は棚式に納められています。 田舎では、棚が左右にあり8つの棺が入るような大きなお墓もあります。 フランスにも葬儀社は存在し、現在では各宗教に対応してくれます。 無宗教者は市民葬をすることも可能です。 お葬式の日まで、遺体は葬儀社が運営する冷蔵部屋「Chambre funeraire」 、 病院などの安置ルームで保管されることが一般的になってきています。 Chambre funeraireに遺体が置かれている間は、 お通夜のように弔問客が訪れお別れをする最後の大事な時間であるため、棺の蓋はまだ開けられたままです。 Chambre funeraireは、一部屋につき一体のタイプのものと皆一緒に保管されるタイプがありますが、 お別れにやってきた客から受け取った花やメッセージボードは床に並べられ、 お墓へ埋葬される際に供えられます。 火葬をする場合には、役所からの許可が必要です。 医師による死亡診断書と、火葬を希望するという故人の遺言もしくは遺族の承諾書を提出する必要があります。 近年は、都市部を中心に火葬も増えてきており、パリにおいては約40%が火葬になってきています。 現在は自治体のもと、火葬場は全国で124箇所にも上るようになりました。 火葬した場合には、約7割の人が遺骨を自宅に持ち帰ります。 残りの3割は墓地の納骨専用地や納骨堂に納めます。 また、自然の中に骨をまくという人はごくわずかだそうです。 フランスでは、お葬式は福祉の一環という概念があるため、 料金やサービスに関しての規制も厳しく、安い費用で執り行うことができます。 パリには、二十ヵ所の市営墓地がありますが、どこの墓地でも一区画の広さは同じ広さになっています。 有名人であろうが一般市民であろうが、同じ大きさの土の中で平等の眠りにつくことができるのです。 墓地の雰囲気は日本とは違い、きれいなお花で飾られ、 公園のように明るいイメージで、墓石も豪華な彫刻をしたものなど個性豊かです。 各墓地には、文学や芸術方面での著名人たちが眠っていて、 地元の人が散策したり、観光客が訪れたりしています。
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