11月1日はカトリック教の「万聖節」と呼ばれる祭日で、 この世の聖人と信仰の為に命を捧げた者を記念する日です。 そして翌日の11月2日が「死者の日」になっており、 全ての死者が解放されて戻ってくることができるとされていて、亡くなった人を忍ぶ日になっいます。 会社や学校もこの二日間はお休みとされている所が多いようです。 日本で言うお盆に当たります。この二日間で、人々はバカンスをとり、一族のお墓参りに行きます。 万聖節を11月1日とするのは西暦800年くらいに固定したと言われています。 ハロウィーンとはアイルランドが起源のアメリカのお祭りです。 これは古代のケルト人が行っていた行事が、アメリカに渡ったアイルランド人によって伝えられ、 アメリカ独自のお祭りとなったのが現在のハロウィーンです。 古代ケルトでは、1年の終わりを10月31日としていて、この日に秋の収穫に感謝します。 新年と冬を迎えるためのお祭りが行われ、万聖節の前夜(ハローイブ)には死者の魂が帰ってきます。 ですが、同時に悪霊も現れて、子どもをさらったり作物を荒らしたりと色々な悪さをすると考えられており、 死者の霊を導くと同時に悪霊を払う焚火の習慣がありました。 万聖節の旧称は「All Hallows」と呼ばれ、その前夜祭りeve、つまりHalloweve(ハローイヴ)が訛って、 Halloween(ハロウィーン)と呼ばれるようになったのが起源です。 しかし、このような異教の習わしを止めさせるために、カトリック教会では11月1日を万聖節と決め、 その翌日を死者の日として、キリスト教の中に取り込んでしまったのです。 なので、ヨーロッパでも日本と同じように今でこそハロウィーンが入ってきていますが、 本場のアメリカほどではありません。 子どもたちのためにハロウィーンのパーティーが行われたり、 飾り付けをする人々が年々増えてきてはいますが、静かに聖人や故人を忍び祈る日になっています。 万聖節と死者の日の二日間は、日本のお盆のように、 天国で神のもとに召された全ての死者の霊を慰める日とされたのです。 お墓参りには、菊の花の鉢植え飾るのが習慣になっています。 菊の花は寒さに抵抗が全くなく水がなくても咲いた状態を保つことができる強いお花だからと言われています。 また、クリスマスのような華やかなリースや、 十字架や丸型にアレンジしたお花が飾られることもあり、見る目を楽しませてくれます。 この季節には、お墓の近くや花屋さんにアレンジした花々などがたくさん売られています。 また、家族のお墓に限らず、墓地は美しく蝋燭などで飾られており、夜遅くまで墓地巡りをすることもあります。 お墓参りをしなくても、ヨーロッパのお墓は美しい花々が咲いたりします。 そして森林墓地となっており、美しい場所なので、日頃から散策やジョギングをしたりする人が多いようです。 プロテスタント系は、人が亡くなった後、1ヶ月後の昇天記念日に記念集会が自宅や教会で執り行われます。 その後も、1年目、3年目、7年目と教会で追悼の記念集会が執り行われます。
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